掛け軸 茶道

掛け軸のこと〜”毎日が一期一会”の時代に想いを馳せる〜

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今日は掛け軸についてのノートです。

掛け軸は、その日のお茶の趣向や季節感の演出を目的に床の間に必ず飾られるものです。亭主のおもてなしの心を体現する重要な道具の一つとなります。お茶室に入った際に、お客はまずその掛け軸を”拝見”します。

掛け軸専門の職人さんもおられ、文字以外の部分においても多種多様な意匠が施されます。デザイン的視点でも、目を楽しませてくれるものの一つですが、奥が深すぎるため、今回は筆者が初めてお稽古に行った日に飾っていただていてたものについてご紹介します。

 

「一期一会(いちごいちえ)」の掛け軸

筆者が現在の稽古場に入門し、初めてお稽古にお伺いさせていただいた日のこと。伸びやかな美しい文字で綴られた「一期一会」の掛け軸が、床の間に飾られていました。「今日は●●さんが初めてのお稽古だから、この書にしました。この初めての時間は今日この日だけですからね」と優しく先生から声をかけてもらったことを今でも鮮明に覚えています。掛け軸は、このように亭主とお客がまず心を交わす大切なお道具です。

 

そもそも、一期一会とは?

元は千利休の言葉とされるものです。「茶会を迎える時、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、誠意を尽くすように」と説いた言葉です(すみません、ものすごく噛み砕いていますが概要はこのイメージです)茶会に限らず、日々の生活・人生においてもその心構えを大切にすべきと教えられる言葉ですね。

 

書だけではない、掛け軸のチェックポイント

イラストにまとめたように、掛け軸は大きく以下の部分に分かれており、各部位のデザインが書の持つ意味や空気の演出力をさらに高めています。それにしても、この言葉を飾り愛でるという行為が今日まで私たちの生活の中に何故しっかり根付いているのか・・・。もちろん茶道の発展と共に存続したという点は理解していますが、文字が持つ見えない力を信じ、感じてきた日本人の心の豊かさを感じずにはいられません。

掛け軸の説明

 

遠い昔は、本当に毎日が一期一会

現代において、前述のような一期一会の精神を実感することは少ないかも知れません。しかし、遠い昔・・・例えば戦乱の世においては、今日話をしていた人が明日には戦で命を落とすということが恐らくより身近にあったことと思います。そのような時に、心を許す人とお茶の時間を共にし、静かで豊かな空気を感じれば感じるほど、「一期一会」について考えざるを得なかったのではないかな・・・と想像してしまいます。

 

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