今日は「茶花(ちゃばな)」についてのノートです。
お茶室では、掛け軸とともに床の間にお花を飾ります。
それらは「茶花」と呼ばれ、基本的には野山で自然に咲く花を用います。
千利休の教えにも「花は野にあるように」という言葉があり、
控え目且つ、ありのままの自然の美しさをお客様に楽しんでもらうことを大切にします。
そんな茶花に関する筆者の思いをまとめさせていただきました。
お茶における茶花
前述の通り茶室のお花は「アレンジメント」しすぎず、自然に宿る美しさや凛とした姿そのものを感じていただけるように準備します。この準備にもおいても、何点かルールがあり代表的なものは以下の通りです。
✔︎花を生ける時は、花を入れると言う
✔︎入れる時は、手の内で組み合わせて一度に入れる
✔︎季節感のあるもので構成する
より自然のままに花を準備し、四季を大切にしていますよ・・・という精神の現れですね☺️
茶花の拝見で気がついたこと
お花ひとつにしてもこんなにルールがあり、それらを踏まえた上で亭主は茶席の準備をしてくださっているんだ・・・と最初の頃はとても感動しました。と、同時にそのおもてなしを受ける「お客」である自分の知識のなさを痛感する日々。お客は、お茶席に入るとまず床の間まで進み、床の間に飾られた掛け軸と茶花を”拝見”します。その際に、少し気の利いた感想を添えられると素敵なのですが・・・私はそこまでこなせたことが、まだありません😅まず、飾られた花が何なのか分からない・・・分かったとしても、例えば椿の中でも何の種類なの?と言う状態で、「ああ・・・綺麗ですね」としか言えないのです。先輩方は、お花について先生と語り合い、その育て方や品種のバリエーションについてまで楽しくお話しされています。お茶を学ぶということは、視野を広げ感性豊かに暮らすと更に面白くなるのかもしれんません。
椿(つばき)と山茶花(さざんか)、アヤメと菖蒲(しょうぶ)
お茶室で茶花の拝見も楽しみたい、とお花についても調べだすようになった筆者。少しずつお花の名前は覚えてきましたが、同時に類似した花の多さにもびっくりしました。椿と山茶花、牡丹と芍薬、アヤメと菖蒲、紫陽花とカンボク、辛夷と木蓮・・・。
姿はとても似ているけれど、所々が異なるそれらの花々は何のためにあるのだろう・・・なんて哲学的なことも考えた時期もあります😅何となく花々たちから試されているような気さえします。当時、筆者はお茶室で上手に会話をすることばかり考えていたので、尚更そのように感じたのかもしれません。しかし今は、花々の小さな違いに気づき愛でることができる余裕のある人になりたいな・・・と思います。
茶花を知ると、見える世界が変わる
少しずつお花を知るようになり、筆者自身の生活の中でも変化が出てくるようになりました。近所を歩くだけで季節の移ろいを濃厚に感じられる・・・、綺麗に花を咲かせているお庭の主を想像する楽しみが増えた・・・などなど。小さなことですが、何となく「今日も楽しいな、幸せだなあ」と感じる回数が増えます☺️
「花は野にあるように」とした千利休はもしかすると、こういった小さな幸せへの感度を弟子たちにも高めて欲しいと願っていたのかな・・・なんて考える日々です🌸